ロングチャット:雑談41-52

雑談41:ケーキは別腹

紅茶のシフォンケーキは何度食べてもおいしいですわね
へぇー。ライラはシフォンケーキが好きなんだ
えぇ。昔から大好きなんです。作る時も楽しいですし
だが自分で作って自分で食べるのって、大変じゃないのか
知らないの。女の子にとっておやつは別腹なの
ちょ、なんで僕がつつかれないといけないんだ!?
知らないあなたが悪いのよ
僕が悪いのか!?
女の子が本気になると、食後にシフォンケーキとバターケーキを十個は余裕でいけるわよ
さすがにそれはないだろ!?
それが意外といけてしまうんです。ねぇ、エドナさん
ライラまで! だがそんなことをしていたら、すぐにふと――
あたっ!
それ以上言うと刺すわよ
もう刺しているじゃないか!

雑談42:思い出のお菓子

エドナ、本当にそのお菓子が好きなんだね
そうね、食べやすくておいしいから好きよ。それに……
それに?
……
いいからあなたたちも食べてみなさい
あ、ありがとう
なにがあってもこれだけは、忘れずにお土産にしてくれていたからよ

雑談43:隠し味

ほら、出来たぞ
あ、マドレーヌだ。ありがとう、デゼル
礼などいい。早く食え
うん
うぐっ……うぐっ、ごく
ねぇ。デゼルの味付けって、あたしと似てるよね。なんで?
さぁな、ただの偶然だろう
えぇ、そんな偶然ってあるのかな?
ロゼ、何をそんなに悩んでるんだ?
大したことじゃないんだけど。あたしとデゼルのマドレーヌの味付けがめちゃめちゃ似てるの
なんでかなって思って
……
ぐ、偶然なんじゃないかな
そうかなぁ。隠し味のパレンジ果汁まで同じってのは、ちょっとおかしくない?
マドレーヌを極めた者が隠し味にパレンジを使うのは常識だ
え!
マドレーヌだけじゃない。おやつ毎に最適な隠し味の組み合わせが決まっている
おやつに限らず料理を極めたいのならば、正しい隠し味を見極めることだ
あ、うん
まさかデゼルがこんなにおやつに詳しいなんて思わなかったよ

雑談44:ヘタになった?

なんかものすごい音がするんだが、ロゼはいったい何をしているんだ?
……おやつを作っている
うわぁー!
大丈夫か? 何があった?
へーきへーき! バタークッキー作ってて失敗しただけ
この状況を見ると、失敗と言う以前に、作り方そのものに問題がありそうだな
そもそもバタークッキーを作るのに、どうしてダガーやそろばんが必要になるんだ
かき混ぜたり、生地を伸ばしたり、型を抜いたり、いろいろ使えるっしょ
どうすればそんな使い方を思いつけるんだ……
そう? すっごく使いやすいけどな〜。今までこれで作れてたし
今回はたまたまミスっちゃったけど。さ〜て、片付けますか
……今回はたまたま、だそうだけど?
……俺に聞くな
……じゃあ質問を変えるよ。どうするつもりなんだい?
……聞くな……

雑談45:こだわりの食材選び

やっぱり小麦はパルバレイ産に限りますね
イチゴはマーリンド産、一択だ
ミルクはどうしましょう
何を話しているんだ?
美味しいショートケーキを作るために、食材の産地を選んでいるんです
食材選びは味を左右する。覚えておけ
うん。それでどんな感じなんだ?
小麦はパルバレイ産、イチゴはマーリンド産にしようかと
あとはクリーム用のミルクなのですが
求める味によって産地が変わってくる
スレイさんは滑らかさと濃厚さ、どちらがお好きですか?
うーん。濃厚さかなぁ
ならばレイクピロー産だ
では、それにしましょう。デゼルさん、相談にのってくださってありがとうございます
ふん……ただの気まぐれだ。気にするな

雑談46:意外な特技

ほーら、出来たぞ!
待ってました!
まぁ!
……
どうしたんだ? 見ていないで、早く食っちまいな
いやぁ〜、前も思ったけど
まさかザビーダがブドウのミルフィーユを作れるなんて……
はは〜ん。俺様の新たな魅力を発見して、全員見惚れちまったか
調子に乗るな
いでっ
どうしてザビーダさんは、こんなにおいしいお菓子を作れるようになったのですか
それ、あたしも知りたい。意外過ぎて全く結びつかないんだもん
聞くだけ無駄だと思うけど
そんなことないさ。ザビーダもやる時はやるやつだし
おっ、導師殿はわかってらっしゃる!
それで、どんな理由なんだ?
昔一緒に旅をしていたやつがどうしても食べたいって言うから、作ってやったのが始まりだ
そいつがすげー美人でさぁ、可愛く頼まれたから断れなかったって訳だ
えっ!
やっぱり
そういう理由なのね

雑談47:自慢の味

ふう。やっとうまくできた〜
お、ロゼちゃん。何が出来たんだい?
あぁ、バームクーヘン。前は失敗なんてした事なかったんだけど
同じようにやっているはずのに、最近はうまく仕上がらなかったんだよね
それが、ようやく上手く出来たって訳か
うん
はい。セキレイの羽印のバームクーヘン。あたしの自信作だ、食べてみて
……95点
うまい!
しっとりしていてやわらかい。甘さも控えめでちょうどいいです
周りのシュガーコーティングがいいアクセントになっている
隠し味は蜂蜜とメロン果汁ってとこか
へぇ〜、よくわかったねぇ。隠し味には自信あったんだけどなぁ
風が読めるからな。あいつの考えそうな事だ
そっかぁ。こんなところでも助けられていたんだね、あたしは
ありがとう、デゼル

雑談48:おやつマスター

ミクリオはいろいろなお菓子が作れるようになったな!
まさか旅をしながら、ここまで出来るようになるとは、自分でも信じられないくらいだ
こんなにたくさん作れるのであれば、もう怖いものなしですわね
おいしいし、戦闘で役に立つし、まさにミクリオさまさまって感じ?
たまに失敗する事もあるようだけど
まぁ、それもご愛嬌ってやつじゃね?
思い思い勝手な事を……
まぁまぁ、みんな感謝してるってことだよ
……そういう事なら……
これからもよろしくな、ミクリオ!

雑談49:おやつの王様

マロングラッセの芳醇ほうじゅんな香りと上品な甘み。大地の恵みが詰まった、おやつの最高傑作だわ
ええ。優雅な午後のひと時にいただきたい、贅沢な一粒ですよね
そうそう、その高級感が女子を喜ばせるんだよねぇ
女性の心がよくお分かりですのね
はっはっは。お菓子は女性の心を溶かす大事なアイテムだからな
……マロングラッセはね、手間と時間をかけて、香り高く仕上げるお菓子なの
古の大王が最愛の王妃に送ったとも言われる、ロマンあふれるものでもありますわ!
そうそう、ロマンとマロンも掛かって、ベスト口説きスイーツなんだよ
うまいこと、何ひとつ言えてないし、口説きアイテムに使うなんて1000年早いから

雑談50:やましい風

導師殿、ライラたちは?
疲れたから、みんなサウナに入るって
スレイ、サウナ行こうぜ!
後でいいよ。オレは
つれないこと言うなって。男はハダカのつきあいが大事なんだぜ?
普段でもハダカだろ、ザビーダは
意外に心は厚着してんだって。そんな殻は脱ぎすてて絆を深めたいわけよ
共犯的な関係でな
もしかして……風で女サウナを探る気じゃ……?
お? 真面目な顔してわかってんじゃねえか。この不良導師♪
やめた方がいいよ。絶対気付かれるって
ふう……損得で考える大人にはなりたくないねえ……
しっとりと流れる汗、熱く火照った体……サウナという健康的かつマニアックな美がそこにある
スレイ……一緒に美の狩人になろうぜ
ふう……いい汗かいた。スレイたちもサウナに入ったら?
こういうこと?
あってるけど違うっ!
ん……?

雑談51:男のサウナ談義

ライラたちは?
みんなサウナに入るって
っしゃ! サウナ行こうぜ! ミク坊も!
僕は後でいい
反論は却下! 男はハダカのつきあいが以下略!
なんなんだよ、もう!
……というわけで、燻製くんせい用の小屋がサウナの原型という説が有力なようだ
風を読みきる……俺様ならできるはず!
ふうん……どっちにしろ北方の文化だったんだよな。それがグリンウッド全土に広がったんだろう?
改めて言われると不思議だな
エドナちゃんはパス! 三千年後くらいにまたな
昔は大陸全体が寒かったから……とか?
熱気を駆け抜けて……届け!
ありうるのか? そんなことが
あっ! ヴァーグラン森林の切り株!
デゼルが言ってたな! 気候が冷え込んだか日差しが弱かった時代があったって
あつっ! 風が弾かれた!? ライラの炎か……!
思わぬものが繋がったね
新しい歴史が証明できるかもしれない
ふう……
熱いな
熱いね
熱いぜ

雑談52:女のサウナ談義

うるさいわね。男サウナ
どうせスレイとミクリオが、サウナの歴史とかで盛り上がってるんでしょ
『なぜサウナが大陸中に広がったんだろう?』とかですね
そうそう
そして、けしからんマネをしてる他一名
大丈夫です。怪しい風は燃やしておきましたから
ヤボだよねえ。もっと落ち着いてこのアツアツ天国を楽しめばいいのに
はい。身も心も浄化されるよう……
この気持ちよさに気付けないなんて、ホント男って――
子どもよね
ガキよね
子どもですよね