さっきのザビーダ、ちょっと変だったよな? | |
なんか隠してるような気がしたね | |
……けど、オレたちを仲間って言ってくれた | |
うん。あたしもそう思ってる | |
もちろんオレもだ | |
じゃあ、聞かなくて大丈夫だよ。必要なことなら、きっと話してくれると思うし | |
そうだよな | |
安心されましたか、導師殿? | |
ごめん。つきあわせちゃって | |
いいってことよ! | |
お代は安くしておくから | |
ええっ!? お金取るの! |
加護は回復できたけど、村長さんは…… | |
原因は赤精鉱を加工する時の毒素か | |
おそらく。あの方はすべてわかってやったのでしょう | |
むしろ罰を望んでるのかもね | |
罪を犯したから……か | |
それが本当なら、風の骨の出番はないね | |
これがあの方の出した答えなのでしょう | |
冷たいようですが、これ以上は私たちが関わることではないと思いますわ | |
それでも教会には腹が立つな。天族を祀るなんて聞いて呆れる | |
あのマルフォってのが仕組んだならやるわね。脇役顔のクセに | |
けど、穢れは放ってなかった。どういう人間なんだろう? | |
気になるよね。アイツのことは風の骨で調べてみるよ |
よし、一通り鎮まったな | |
お疲れ! | |
祓えたな | |
なんとか | |
申し訳ありません。スレイさん独りに任せてしまって | |
そうそう、大変だったんだよ。ライラ、ずっと折り紙の花で占いしてて | |
『スレイさんは負けない、スレイさんは勝つ、スレイさんは負けない……』ってね | |
千切った紙が山になるほどよ。ミボに掃除させたけど | |
もちろん信じていましたわ。ですが…… | |
心配かけちゃったね。ありがとう、ライラ | |
いいんです。占い、当たりましたから |
やったな、ミクリオ | |
まあ、こんなものだろう。予想通りだったよ | |
そうね。ワタシが出るまでもない。我が僕、ミボで十分だったわ | |
苦労して戦ったのにそれか? | |
苦労したの? したのね? 悪かったわ。非力なミボに無理させちゃって | |
下僕の仇はワタシが討つから、安らかに眠れ | |
まったく、ああ言えばこう言う…… | |
こう言うー | |
言わなくていい! | |
遊ばれてるってわかってるのにつきあうんだよねえ。ミクリオって | |
そりゃあ、こんなところまでつきあってくれるヤツだから | |
……そっか。超納得 | |
ミクリオガンバッター | |
誉めるな! って、あれ……? |
とりあえずここは鎮まったようですね | |
怪我はない? ライラ | |
はい。大丈夫です | |
むしろ見てるこっちが火傷したわ | |
すみません。降りかかる火の粉を払ったつもりが、火の粉を放ってしまって | |
しまった……上手いこと言う踏み台に | |
『払う』と『祓う』もかかっているのか!? | |
ふふ、気付いていただけました? | |
くっ、俺につっこませるとは…… | |
ははは! やっぱライラはすごいな! | |
いろいろな意味でね | |
いろんな意味でね |
とりあえずここは鎮まったようですね | |
怪我はない? ライラ | |
はい。大丈夫です | |
むしろ見てるこっちが火傷したわ | |
すみません。降りかかる火の粉を払ったつもりが、火の粉を放ってしまって | |
しまった……上手いこと言う踏み台に | |
ライラの火の舞、俺のハートにも火をつけちまったぜ | |
それはショウカ薬を飲んだ方がいいですわね | |
ショウカ? って、俺も踏み台に!? | |
ははは! やっぱライラはすごいな! | |
いろいろな意味でね | |
いろんな意味でね |
ほい、一丁上がり! | |
戻ったか | |
ただいま。心配した? | |
必要ない | |
冷たっ! ちょっとくらい心配しろよー | |
お前の力量も、敵の力量もちゃんと見切っているということだ | |
ふ〜ん…… | |
見切った実力通りか、試してみる? | |
おい、待て! なんでそうなる!? | |
……あはは! だよねえ〜! ゴメン、勝負スイッチ入ってた | |
スイッチオフと | |
まったく。いつまでたっても読めんヤツだ | |
笑うなって〜 | |
ま、いつも無愛想すぎるから、たまにはいいけど | |
ふっ、どっちだよ? |
ほい、一丁上がり! | |
さすがの腕だな。ほれぼれしたぜ | |
そう? 見物料100ガルド | |
金取るのかー? なら、もっとサービスしてくれよ〜 | |
んじゃ、いいや | |
油断してヘマしたら怒られるし | |
……守られた命だもんな | |
過去形じゃないって | |
ほれぼれするねえ、ほんと |
ザコは蟲毒ってもザコよね | |
おととい来なさい。明後日死になさい | |
意味がわからん | |
先週になったら教えてあげるわ | |
……ふざけてることはわかった | |
はは、いくらザコでも一人で大変だったろ? | |
お疲れ、エドナ | |
……別に。ザコなんか大変じゃないし | |
けど……明日も気遣いなさい | |
あ、うん |
ザコは蟲毒ってもザコよね | |
おととい来なさい。明後日死になさい | |
つーことは、年末には爆発だな | |
なにを言ってるかわからない | |
ひでえっ! | |
はは、いくらザコでも一人で大変だったろ? | |
お疲れ、エドナ | |
……別に。ザコなんか大変じゃないし | |
けど……明日も気遣いなさい | |
あ、うん |
ふう…… | |
手強くなってるよね。憑魔たち | |
そもそも強い憑魔を生むための場所だしな | |
ライラ、穢れの坩堝は全部でいくつあるんだ? | |
確認されただけで七つ。おそらくまだ未発見のものも…… | |
全部、蟲毒全開? | |
わかりません。護法天族ゴウフウ様が封じているはずなのですが | |
ゴウフウ……五大神ハヤヒノに直属する野郎だったな | |
そいつは、もうヘルダルフに倒されたとみるべきだろうな | |
ですね…… | |
やられただけならいい。だが、穢れの坩堝に落とされてたら―― | |
ドラゴンになった | |
かもって話だが……ヘルの野郎だからな |
はあ〜……終わったあ…… | |
手強かったな | |
ぞっとするよ。こんなのが外に出たらって思うと | |
ったく、どこのどいつだよ! こんなもんつくったの! | |
……天族だろうな | |
うっそ! 天族が穢れを増やしてたってこと? なんで? | |
理由までは。けど、ここには強い天響術が使われてる | |
そういう時代があったって考えるしかない | |
……反対だね。スレイが知りたい世界とは | |
ああ。でも認めなきゃいけないと思う | |
現実を見ないで理想を言っても仕方ないし | |
ふうん…… | |
ここってさ。スレイも強くしたよね | |
そうかな? | |
そうだよ | |
けど、あたしも腕上げてるから。調子にのんなよ! | |
ええっ!? なぜか怒られた! |
よっし! 俺様の出番だな! | |
スレイ、この島の穢れは普通じゃない。さらにその坩堝となると…… | |
ああ。しかも一人じゃ…… | |
退こうザビーダ。危険すぎる | |
放置すんのはかまわねぇぜ。だが…… | |
危ないからってのは黙ってられねえな。俺が負けると思ってんのか? | |
ザビーダ、スレイは君を心配して―― | |
同じことだぜ | |
肝心なのはそこじゃねえだろ、導師様よ! | |
………… | |
スレイさん | |
行かせてあげれば? | |
やる気なんだよ、ザビーダは | |
女性陣のが腹がすわってんぜ? | |
……わかった | |
任せるぞ、ザビーダ | |
おうよ。任された |
いや〜、まいった! 思ったより全然手強いでやんの! | |
死ぬかと思ったぜ…… | |
自業自得 | |
身から出た錆ですわね | |
だから言ったのに | |
いいじゃん。結果オーライ! | |
はっは〜! ひでえ言われようだ | |
お疲れ、ザビーダ | |
そっちもな。任せんのも楽じゃねえだろ? | |
ああ。けど、それがオレの役目だ | |
そういうこと。まあ、心配するな | |
失望はさせねぇからよ |
メーヴィンおじさんには、難しい事情があったんだね | |
ああ。特別な宿命を背負ってたんだな | |
それでも……おじさんはいつもセキレイの羽を手伝ってくれたよ | |
オレには探検家の心得を教えてくれた | |
とにかく世界中を飛び回ってて | |
オレたちに道を示してくれた | |
うん! それがメーヴィンおじさんだよね | |
どんな事情や宿命があっても―― | |
メーヴィンはメーヴィンだ | |
スレイがスレイなように、ね! | |
ロゼがロゼなように、だよ | |
マネすんなよー | |
そっちこそ |
……ライラ、死してなお穢れに囚われた者って、どういう意味なんだ? | |
人も天族も……いえ、すべての生命の本質は、その体に宿る『魂』にあります | |
ファントムはその魂自体が穢れ、憑魔化してしまったものです | |
待ってくれ。つまり…… | |
浄化しても元の人間に戻らないってことか | |
はい。すでに死んでいるのですから | |
………… | |
ですが、祓わなければ魂は穢れに侵されたまま、永遠にさまよい続けることになります | |
憑魔として人を襲いながら、か | |
彼らを救う方法なんだね? 浄化は | |
はい | |
わかった。だったらオレは―― |
ライラ……なんか妙なテンションになってたよね? | |
すみません。丸まり方には、ちょっとこだわりがありまして | |
丸まり方……? | |
はい。以前アルマジロ天族にお世話になった時、その素晴らしさに気付いてしまったんですの | |
今の憑魔は素人レベルでガッカリでしたけど | |
アルマジロ天族!? | |
ちょっとなに言ってるかわからないんだけど…… | |
アルマジロ天族の、アルマ太郎さんとアルマ三郎さんですわ | |
丸まり選手権三連覇で『レジェンド』と呼ばれた、あの | |
『あの』って言われても!? | |
かなりなに言ってるかわからない! | |
尊敬するお二人から、修行の旅に出ているアルマ次郎さんこそ、『最強の丸まリスト』とうかがって | |
いつか、その丸まり方を見るのが夢なんです | |
ミクリオ……つっこんだ方がいいのか……? | |
関わらない方がいい。僕のつっこみ勘がそう言っている | |
だよな | |
アルマ次郎さん……あなたは今どこに…… |
この程度で丸まリストを名乗るとは、片腹いたいですわ! | |
へ? どうしちゃったの、ライラ? | |
それが……丸まるものに妙なこだわりがあるみたいなんだ | |
丸まりが目指すのは完全なる円……つまり自然の法則の体現なのです | |
つまり! いい加減な丸まりは自然への侮辱ですわ | |
あー、なんとなくわかる。なんかかわいいよね。巻き貝とか | |
ロゼさん! | |
よせ! 下手に触ると火傷するぞ | |
さすがわかってますわね♪ | |
今のはアリなの!? | |
特にサザエの身のクルン! って丸さは哲学的ですわよね | |
うんうん! あとブタの丸焼きとか、丸儲けとかも好きだなあ | |
嬉しいですわ! 二人で丸まリストのグループをつくりましょう | |
名付けて『丸まりサークル』! | |
サークルとマルがかかってる! その名前『花マル』! | |
ロゼまで…… | |
よりややこしいことになったな…… |
残念だったね……アルマ次郎さんじゃなくて | |
仕方ありませんわ。世の中は、そう丸くおさまるものではありませんから | |
でも、丸まりを求め続けていればいつか出会える。私はそう信じています | |
だって『円』は『縁』なんですもの | |
あたしもそう思うよ! | |
なんか……いい話のような気がしてきた | |
僕もだ | |
……バカね。ライラのおふざけに丸め込まれちゃって |
ふう……ドラゴン程じゃねぇが、なかなか手強かったな | |
ドラゴン…… | |
どうかした? | |
うん。今の憑魔、あたしたちを怨んでるみたいだったなって | |
そうかな? | |
なんとなくだけどね | |
そうかな……? | |
憑魔なんてそんなもんだろ。今頃、浄化されてどっかでスッキリしてるって | |
……そうだといいけど |
ミスリルの武器か……すごい力を感じる | |
もったいない気もするけどね。輝光銀、売ったら超お高いし | |
いや。これはいい力だよ | |
そうそう、武器は男のロマンだ。やっぱ導師殿も男の子だねえ | |
ロマン……かな? | |
違ったか? じゃ、どういう意味で言ったん? | |
これは世界中を回ったおかげで手に入ったものだろ | |
だから、オレたちの旅の答えのひとつかなって | |
ああ、そういう意味か | |
あちゃ〜……やっぱ優等生だねえ、スレイは | |
けど、ザビーダみたいだったら、つくってくれなかったと思うよ。ミスリル装備 | |
ごもっともで |